332.5.年上(1)

「頑張るというのなら、そういった勝手な思い込みで結論を出すような部分も直したまえ」
溜息に続けて、ティーカップはそう言った。
「…うん」
トキオは頷いて、またもぞもぞと体を仰向けにした。
「誰もが君みたいに、抑え切れないほどの欲求を持つわけじゃないんだぞ」
ティーカップはトキオの頭に右手を添えた。
「僕が君よりずっと年上で、種族も違うということを忘れてるだろう。個人差だってある。君の基準だけで考えるな」
「…ん、…ごめん…」
トキオはティーカップを見て、小さく頷いた。
こんな風に諌められると、普段忘れがちな年齢差を急に感じる。
「君はどうも、不安を見つけては自分の中で大きくする癖があるな」
ティーカップの左手が、トキオの頬を撫でた。
トキオは思わず目を閉じる。これだけでもう、下半身が反応し始めている。
-ぁあ…後でトイレだな、これ…
ぼんやりとそんなことを思っていると、
「トキオ」
声がすぐ側で聞こえた。目を開けてみると、目の前にティーカップの胸元があった。トキオの頭はティーカップの右腕に抱かれている。
何をされているわけでもないのに顔が熱くなって、体の芯も熱を持ってきた。
-っかしいな、なんでこんなことだけでドキドキすんのかな…
ティーカップの左手がトキオの顎を上に向け、半開きになったトキオの唇はいきなり塞がれた。
濡れた舌が触れ合って、トキオの身体の熱が更に上がる。

「…んっ、…んん、」
ティーカップはなかなか唇を解放してくれず、長いキスの間にトキオの体は完全にその気になってしまった。
「ふはっ、…ふ」
やっと唇が自由になると、トキオはティーカップの胸を押しやるようにして体ごと離れようとした。
「どうした」
頭に添えられていたティーカップの右手が、今はトキオの肩を逃がさないように抱えこんでいる。
「っ、トッ、トイレ、行って来る」
真っ赤になったトキオは首を振って、ティーカップの腕から逃れようとしていたが、
「うぁっ!?」
思いもよらない感触に、動きが止まった。
「キスだけでこんな風になるのか」
ティーカップの左手が、パジャマ越しに、トキオの硬くなった部分を確かめている。
「…ちょ、…っそ…だから…、トイレ…」
トキオが切れ切れに言うと、
「行かなくていい」
ティーカップはそう囁くと、触れていた部分を指先で掻くように撫で上げた。
「っあ」
声が裏返りそうになって、トキオは歯を食いしばった。
「やっ…ばいって」
ティーカップの掌は、ゆっくりと表面を擦っている。
「トキオ」
ティーカップの声が、耳をくすぐる。
「…ふっ、ん」
「脱がないと、下着が汚れる」
ティーカップはトキオのズボンの腰紐に触れた。
「…、ぅん」
トキオがおぼつかない手つきで、パンツごとズボンを引き下ろしていると、ティーカップはトキオの上着のボタンをはずし始めた。
-…っ…なんか…すっげ恥ずかしい…
ボタンが全部外れて、下半身もすっかりむき出しになったところで、ティーカップはトキオの肩を押すようにして、仰向けにさせた。

馬車の時と同じように、上から唇をかぶせられる。
ティーカップの左手は、露になったトキオの胸と腹をゆっくりと撫でてから、下腹部に降りた。
「っ…」
無防備なそこに触れられて、トキオの右膝が反射的に曲がる。
ティーカップの指が、幹に絡んだ。
「…ぁ」
離れた唇の隙間から、トキオが声を漏らす。
「もう少し足を開け」
言われるまま、トキオがおずおずと足を開くと、ティーカップの指はその間に滑り下りて、トキオの陰嚢をすくい上げるように撫でた。
「ふっ、ぅ」
トキオは身を捩って、枕に顔を押し付けた。
掌で包まれ、柔らかく動かされる。時折、指先が伸びて戸渡りをくすぐる。
「~~~っっ、 っ、ティ…、」
トキオが呼ぶと、ティーカップの唇が頬に触れた。
「ぅ、…っぁ…、俺…、…ど、したらいい…?」
動き続ける指が生む刺激に耐えながら、トキオは訊いた。
相手に主導権を持たれた経験がないので、こういう状況で自分が何をすればいいのかわからない。
「じっとしていろ」
囁いたティーカップの舌が耳に触れて、トキオはまた身を捩らせた。

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